トップページへ
立体イリュージョン
--- 新しい錯覚の世界 ---
2010年5月30日更新
図形計算コンサルタント 杉原 厚吉
NEW! 2010年5月10日にフロリダで行われた世界錯覚
コンテストで優勝しました。
不可能モーション「何でも吸引四方向滑り台」
(動画サイトYoutubeで見られます)
を、第7回世界錯覚コンテスト
Best Illusin of the Year Contest 2010
に投稿したところ、まず第1次選考でベスト10に選ばれました。そして、
ベスト10の10名のファイナリストの一人として、フロリダで5月10日に
行われた錯覚祭に参加してプレゼンしたところ、その場で第1位に選ばれました。
出発前に、多くの方からご声援をいただき、ありがとうございました。
だまし絵は、オランダの版画家エッシャーが作品の素材として使ったことでも
有名です。そのようなだまし絵は、絵には描くことができても、立体としては
作れないというのが常識的な理解だと思います。
でも、この常識に反して、だまし絵の中には立体として作れるものもあることを
発見しました。次に示すのがその例です。
これらは絵ではありません。多面体の写真です。 「本当は離れているのに、
ある特殊な方向から見るとつながって見える」 というずるいトリックは使って
ありません。展開図(pdfファイル)もあります。ただし、のりしろはついて
いませんので,組み立てるときにはつけてください。
U and Bar (Copyright in 1997 by Kokichi Sugihara)
下の左の図は、普通の立体を表したものです。U字型の枠の中に角棒が通っています。
この図の隠している部分と隠されている部分を逆転させると、右の図になります。
これはだまし絵です。
普通の絵
手前と奥が入れ替わっただまし絵
このだまし絵は、立体として作れます。次に示すのは、紙で作ったこの立体の写真です。
左は、だまし絵と同じように見える方向から撮影しました。右は、それとは別の方向から
撮影しました。右の写真からわかるように、この立体は変な形をしています。
錯視立体
本当はこんな形です
展開図(pdfファイル)は
ここにあります。
終りのない階段 (Copyright in 1997 by Kokichi Sugihara)
普通の絵
だまし絵
錯視立体
本当はこんな形です
展開図(pdfファイル)は
ここにあります。
錯視立体ギャラリー
ずるい錯視立体
歪んだ空間 --- 動きを伴う立体錯視 (Copyright in 2003 by Kokichi Sugihara)
ありふれた立体に見えるのに、そこに動きを加えるとあり得ないことが起こっている
ように見えるという新しい立体錯視も見つけました。本当の形を見破ってください。
ここをクリックすると動画が表示されます。
この動画表示には、(株)アンサー・インターナショナル
(http://www.answerplus.co.jp/)のご協力をいただいています。
錯視立体の利用法
錯視立体はこんな使い方ができます。
詳細については、電子メールで杉原厚吉までお問い合わせください。アドレスは次の通りです。
ただし、スパムメール防止のために@を全角で表示しています。恐れ入りますが、下のアドレス
の@を半角文字@に変更してからメールをお送りください。
sugihara@magic.odn.ne.jp
参考文献
-
K. Sugihara: Machine Interpretation of Line Drawings. MIT Press, Massachusetts, 1986. (この本は、出版社の MIT Press が販売を中止しましたが、出版社の許可が下りたので、ウエブに
全文の pdf ファイルを掲載してあります。LaTeX という清書システムで全ページを作り直しましたので、以前の本よりページの仕上がりがきれいです。どうぞご自由にダウンロードしてお使いください。)
-
杉原厚吉:不可能物体の数理.
森北出版,東京,1993. (この本はしばらく品切れでしたが、オンデマンド出版の形で販売が再開されています。)
-
杉原厚吉(文),早川司寿乃(絵):だまし絵であそぼう.シリーズ科学であそぼう 12,岩波書店,東京,1997.(この本はしばらく品切れでしたが、2006年10月に増刷されました。)
-
杉原厚吉:立体イリュージョンの数理. 共立出版,東京,2006.
最近、次の2冊の立体展開図集を出しました。
-
杉原厚吉:へんな立体.誠文堂新光社,2007.(18種類の立体の展開図が載っています)
-
杉原厚吉:すごくへんな立体.誠文堂新光社,2008.(20種類の立体の展開図が載っています)
だまし絵やタイリングの描き方の本も出しました。これは、立体ではなくて紙の上の絵の話です。
-
杉原厚吉:だまし絵の描き方入門.誠文堂新光社,2008.
(内容:1.不可解な立体を描く、2.メタモルフォーシス、
3.隠し絵の描き方、4.エッシャー風タイリングアート、
5.だまし絵の立体化)
-
杉原厚吉:タイリング描法の基本テクニック. 誠文堂新光社,2009.
(内容:1.タイルを変形してみよう、2.タイルを平面にならべてみよう、
3.長方形を使った初期タイリング、4.正方形を用いたタイリング、
5.六角形を使ったタイリング、6.ひし形を使ったタイリング、
7.タイリングをより豊かにする技))
関連イベント
- 第3回錯覚ワークショップ、2010年9月13日(月)10:00−17:20、明治大学
駿河台キャンパス紫紺館3階会議室(入場無料)
- WOWOWテレビ出演予定:「ゆかいなダマされ方 〜素晴らしき錯視の世界〜」、
日時:2月13日(土)14:20〜15:05
- 変な立体の展示:「ようこそ不可能立体のワンダーランドへ」、明治大学
生田キャンパス、図書館ギャラリーZero、2009年11月18日(水)から
11月26日(木)まで。
- ワークショップ:「大人が楽しい科学教室 ---
トリックアートを楽しもう」、2009年11月28日(土)、
12月5日(土)、稲城市iプラザ(要予約)
-
日本図学会全国大会会場でへんな立体を特別展示、2008年11月29,30日、立教大学.
-
日本テレビ系「世界一受けたい授業」に出演。12月6日(土)午後7:57-8:54.
「不思議な立体で新感覚脳トレ」
-
日本図学会全国大会会場でへんな立体を特別展示、2008年5月11,12日、北海道大学.
-
ソニー・エクスプローラサイエンス企画展「インポッシブル ワールド」で
へんな立体を展示、2008年5月17日から7月6日まで、東京都港区台場メディアージュ.
-
テレビユー福島の番組「E!気分」でへんな立体を紹介、2008年7月20日放映。
テレビユー福島のHP
で「E!気分」という番組をクリックすると放送されたものが見られます。
-
東京大学オープンキャンパス、工学部模擬講義:「視覚の数理 --- 立体認識と錯視」、
2008年7月31日、東京大学本郷キャンパス.
-
千葉県の佐倉市美術館でのエッシャー展(2008年8月1日から9月23日まで)で、
木製のへんな立体「無限階段」
が展示されています。
-
高校生のための数理工学見学会:「だまし絵と立体認識」、2008年8月8日(金)、
東京大学本郷キャンパス、工学部計数工学科.
-
京都大学公開講座で講演:「君もエッシャーになれる」、2008年8月9日(土)、京都大学.
関連行事予定
-
研究室見学会:「視覚の数理と立体錯視」、東京大学オープンハウス、
日時:2006年8月1日(火)、場所:東京大学本郷キャンパス、参加登録が必要です。
-
研究室見学会:「視覚認識と立体錯視」、第8回高校生のための数理工学見学会、
日時:2006年8月7日(月)午前10時から午後4時、
場所:東京大学本郷キャンパス工学部14号館(集合は6号館)、予約が必要です。
ポスター
-
講演会&ワークショップ:
「君もエッシャーになれる!」、日時:2006年8月20日(日)13:00-16:00、
場所:いわき市立美術館、予約が必要です。
ポスター
-
講演会:「だまし絵と立体知覚 --- エッシャーの秘密を数理でさぐる」、第846回電力館セミナー、
日時:2006年2月25日(土)午後2時から4時、場所:電力館(東京都渋谷区神南 1-12-10)。
有料です。あらかじめ
電力館へ参加申し込みが必要です。
-
銚子市文化講演会:「だまし絵と立体イリュージョン」、第4回銚子市文化講演会、
日時:2005年7月3日(日)午後2時から3時30分、場所:銚子市市民センターホール、
文化講演会ポスター
-
オープンハウス:「立体錯視の世界」、計数工学科オープンハウス、日時:2005年7月29日(金)午後4時から6時まで、場所:東京大学本郷キャンパス工学部6号館
-
研究室見学会:「視覚の数理 --- だまし絵と立体錯視」、第7回高校生のための数理工学見学会、
日時:2005年8月8日(月)午前10時から午後4時10分、
場所:東京大学本郷キャンパス工学部6号館
ポスター
-
ビデオ展示:「立体錯視の世界」、東京大学本郷キャンパス赤門隣の
東京大学コミュニケーションセンターで、動きを加えると生じる立体錯視のビデオを、
7月2日より上映しています。期間は当初7月中の予定でしたが、延長して8月と9月も上映
されることになりました。いつもエンドレスで上映されています。
コミュニケーションセンターは、平日は夕方6時半まで開いています。
-
5月祭工学部ツアー:「だまし絵と立体錯視」、日時:5月28日(日)13:00から14:00、
場所:東京大学本郷キャンパス工学部14号館514号室
-
東京大学全学自由研究ゼミナール:「視覚の数理 --- エッシャーの秘密を数理で
探ろう」、日時:夏学期毎週火曜日5限 (16:20-17:50)、場所:東京大学駒場
キャンパス105講義室
講義ノート
-
招待講演:Computational-Geometry Approach to Escher、
Computational Geometry Forum, July 6, 2003, Calgary University, Canada.
このウエブページについて